12月3日に行政改革会議は「最終報告」をとりまとめました。メディア総研ではその「最終報告」に対し「見解」を発表します。この「見解」は各新聞 社、放送局等に既に発信されたものです。 行政改革会議『最終報告』についての見解 1997年12月4日 メディア総合研究所 政府の行政改革会議は、12月3日、中央省庁の再編に関する最終報告を公表した。このなかで、私たちがとりわけ関心を抱く放送・通信行政に ついては、現行の郵政省の通信政策局・電気通信局・放送行政局を2局に再編するとともに、新設する総務省の内部部局とし、現在の郵政、通産 両省の分担も変更せず、それぞれ総務省と経済産業省に引き継ぐとしている。このように最終報告は、免許をはじめとする規制業務を総務省の外 局として新設する「通信放送委員会」に委ねるとした9月の中間報告の構想を退け、現在の郵政省による放送行政体制をほぼそのまま総務省に 移すことを決定したのである。 研究者やジャーナリスト、視聴者・市民グループ関係者など161人が11月17日に連名で発表した「<放送の独立行政機関>設置を求めるアピー ル」も指摘しているように、憲法の言論・表現の自由の観点から、放送行政は政府から距離を置いた独立的、中立的な機関によって行われること が求められており、この点で与党の大臣に率いられた郵政省が免許付与をはじめ内容規制を含む放送行政をすべて支配するという日本の現行制 度は世界的にもきわめて異例であり、放送規律を独立行政委員会に委ねようとした中間報告の提起は基本的に正しい方向を指し示していた。 私たちは、行革会議が中間報告の提起を受けて議論を深め、放送の独立行政機関の構想をより発展させるのとはまったく逆に、郵政官僚や自 民党の族議員たちによる省益確保という霞が関や永田町の圧力に屈し、広く社会的な議論を呼びかけることもせず、「通信放送委員会」の設置構 想をあっさりと放棄して改革の芽を摘み取り、既存の体制を手つかずのまま温存したことに、失望するとともに強く抗議する。私たちはひきつづき放 送の独立行政機関の設置を求めていく所存であり、その具体的構想の検討に着手することを表明する。と同時に、先のアピールにもあるように、 「放送行政機関のあり方は、放送の自由や民主主義など、日本社会の将来に重大なかかわりをもつ問題」であるとの認識にたって、放送界はもち ろん、広く市民も加わった開かれた具体的な議論が開始されることを心から期待する。 |