メディア総合研究所  

メディア総合研究所は、1994年に日本民間放送労働組合連合会(民放労連)が設立しました。研究者・労働者・ジャーナリストがボランティアで、市民の立場からメディアを調査・研究・考察する民間の研究組織です。メディア総合研究所は次の3つの活動の柱を掲げています。

〇国際人権
 国際的視点に立つと、日本は人々の人権が守られている国とは言えません。国際人権という視点からメディア研究とシンポジウム開催等の活動を進めます。
〇表現の自由
 民主主義社会にとって重要な人権の一つに表現の自由があります。政府や政治によるメディアへの圧力に対して、『放送レポート』での特集記事や声明、シンポジウム等を通じて異議を唱えてきました。
また、大手メディアでは伝えられることの少ない「表現の自由」についても考えています。「表現の不自由展」もその一つで、各地での開催をサポート。国民の知る権利に資する研究を進めています。
〇ジェンダー
 日本社会のあらゆるところでいまだに性別役割分業意識が根付いており、メディア産業も例外ではありません。多様な報道のあり方を考えるために、メディア組織のジェンダーバランスや、報道内容を批判的に考察します。
Media Research Institute
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研究所の目的に賛同し、活動を支えてくださる維持会員を募集しています。
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〒130-0026
東京都墨田区両国3-21-14
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声明・アピール

行政主導の「青少年と放送に関する専門家会合」の開催に反対し、青少年問題への真の自律的取り組みを放送界に求める緊急声明

1998年12月24日
メディア総合研究所

 本日、郵政省、NHK、民放連が共同で、「青少年と放送に関する専門家会合」を開催することが発表された。これは、今月7日に公表された郵政省の「青少年と放送に関する調査研究会」報告での提言を具体化することを目的とし、第三者機関の活用、放送時間帯の配慮、番組に関する情報提供の充実、Vチップなど7項目を検討項目に掲げ、NHK、民放連の代表とともに郵政省の担当者(放送政策課長)もメンバーに加わって、来年6月まで月1回程度開催する、などを内容とするものである。

 調査研究会の報告は、番組内容の規制に関わる問題を扱っているにもかかわらず、全体として放送の自由と自主・自律への適切な配慮に欠けるなど、批判的な吟味が求められるものである。なかでも、提言具体化のための「専門者会合」の設置提案とこれを受けての今回の「専門家会合」の開催は、特に見過ごすことのできない重大な問題を含んでいる。

 今回の専門家会合が検討する課題は、番組分類基準の策定や時間帯規制、第三者機関による規律など、まさに放送内容の根幹に深く踏み込んだ問題にほかならない。これらは、言論・表現の自由や放送の自由の観点から、公権力の関与がもっとも避けられなければならない領域である。まして欧米諸国と異なり、政府から距離を置いた独立的な機関ではなく、一行政官庁たる郵政省が放送行政を直接担当する日本の制度においては、行政の放送内容へのコミットメントはとりわけ厳に慎まなければならない。

 にもかかわらず、青少年保護のための放送規制措置の具体化を行政が主導し、その関与のもとで進めようという今回の専門家会合の開催は、まさに放送への行政の不当な介入といわなければならない。同時に、これを受け入れ、会合に参加する放送界の態度は、自主・自律の根本原則を自ら放棄する自殺的行為というほかなく、報道機関としての存在意義そのものが問われている。さらに、こうした重要な課題は、今回のように半年間などという短い期間でそもそも拙速に進めるべきではない。また、この種の組織のメンバーは本来、放送界の自主的選択により、専門家や視聴者団体の関係者も含め、広く各界・各層から選び出されなければならないのであって、今回の会合のように、行政の意向を受け、不透明な形で決められるべきではない。

 メディア総研は、以上の理由から今回の専門家会合の開催に強く抗議し、反対する。今後の放送界の対応については、当研究所の「Vチップおよび番組格付けの導入についての見解」(10月14日)をはじめ、民放連・放送番組調査会見解「青少年と放送に関する取り組みについて」(9月16日)や244名の研究者等が賛同した「Vチップ制度の性急な導入に反対するとともに、放送界の青少年問題への積極的な対応を求めるアピール」(9月11日)も要請しているように、公権力の介入や関与を排し、専門家や市民の参画のもと、放送界が真に自主的、自律的に青少年の保護・育成のためのさまざまな施策に積極的に取り組んでいくことを強く求めたい。