メディア総合研究所  

メディア総合研究所は、1994年に日本民間放送労働組合連合会(民放労連)が設立しました。研究者・労働者・ジャーナリストがボランティアで、市民の立場からメディアを調査・研究・考察する民間の研究組織です。メディア総合研究所は次の3つの活動の柱を掲げています。

〇国際人権
 国際的視点に立つと、日本は人々の人権が守られている国とは言えません。国際人権という視点からメディア研究とシンポジウム開催等の活動を進めます。
〇表現の自由
 民主主義社会にとって重要な人権の一つに表現の自由があります。政府や政治によるメディアへの圧力に対して、『放送レポート』での特集記事や声明、シンポジウム等を通じて異議を唱えてきました。
また、大手メディアでは伝えられることの少ない「表現の自由」についても考えています。「表現の不自由展」もその一つで、各地での開催をサポート。国民の知る権利に資する研究を進めています。
〇ジェンダー
 日本社会のあらゆるところでいまだに性別役割分業意識が根付いており、メディア産業も例外ではありません。多様な報道のあり方を考えるために、メディア組織のジェンダーバランスや、報道内容を批判的に考察します。
Media Research Institute
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〒130-0026
東京都墨田区両国3-21-14
両国有泉ビル3階
Tel: 03-6666-9404
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声明・アピール

人権擁護法案の修正の動きに反対し、あくまでも廃案を求める声明

2002年10月21日
メディア総合研究所

日本ジャーナリスト会議、日本出版労働組合連合会、日本ペンクラブ、日本マスコミ文化情報労組会議、日本民間放送労働組合連合会、メディア総合研究所 以上6団体の共同声明です。

     2002年10月21日

人権擁護法案の修正の動きに反対し、あくまでも廃案を求める声明

 先の通常国会で継続審議となった人権擁護法案について、与党三党は先ごろ、「報道被害に対する報道機関の自主的な取り組みがどう進むかを見守り、別の立法で解除するまでメディア規制部分の凍結を続ける」旨で合意した、と伝えられる。この修正案をもって、政府・与党は報道・表現の自由への制約が解消されたとして、この臨時国会で法案成立を期すものと見られる。
 しかし、私たちはこのような修正は、小手先の目くらましでしかないと考える。
 人権擁護法案に対する批判の最たるものは「人権侵害がしばしば指摘される拘置所・入管施設などを所管する法務省の外局として人権委員会を設置するのでは、委員会の独立性が保てない」ということだ。公権力による人権侵害を軽視したこの法案の根本的な欠陥を如実に示すもので、この点を無視した今回の修正は、国内世論はおろか、諸外国や国際機関などからの厳しい批判も免れないだろう。
 人権擁護法案は他にも多くの問題を抱えている。法案にはそもそも「人権」についての定義がなく、行政による恣意的な拡大解釈のおそれがある。法案がいう「差別助長行為」には「文書の頒布、掲示その他」が含まれており、差別的取扱いを助長・誘発する「おそれがあることが明らか」であるものには「将来行わないことを勧告」できるという、出版・放送の事前差し止め(事実上の検閲)も認めるような規定も設けられている。また、人権委員会の組織も中央に5人の委員を置くだけで、全国各地で発生する人権侵害事案を処理するためには極めて不十分である。結局、法務官僚の力に大きく頼らざるを得なくなり、委員会の独立性はやはり有名無実化するだろう。この他、「縦割り行政」の弊害から、労働権に関わる人権侵害など他省庁の所管とされるものには、人権委員会は関与できない。また、防衛庁で発覚した情報公開請求者リスト作成問題にみられるような、公権力による市民活動の監視などという問題は、法案が規定する人権侵害の類型にはどこにもあてはまらず、人権委員会の機能を全く期待できない。
 このように、期待される人権擁護の機能は十分に果たせず、一方で市民の活動や表現の自由を不当に抑圧するおそれの強い欠陥だらけの法案は、小手先の修正程度ではとうてい認められない。私たちは、この法案をまず廃案とした上で、現在の日本でどのような人権侵害が問題となっているか、司法的救済では何が不十分なのか、国民的な議論に委ねて根本から検討しなおすことを強く訴えるものである。

日本ジャーナリスト会議、日本出版労働組合連合会、日本ペンクラブ
日本マスコミ文化情報労組会議、日本民間放送労働組合連合会、メディア総合研究所