メディア総合研究所  

メディア総合研究所は、1994年に日本民間放送労働組合連合会(民放労連)が設立しました。研究者・労働者・ジャーナリストがボランティアで、市民の立場からメディアを調査・研究・考察する民間の研究組織です。メディア総合研究所は次の3つの活動の柱を掲げています。

〇国際人権
 国際的視点に立つと、日本は人々の人権が守られている国とは言えません。国際人権という視点からメディア研究とシンポジウム開催等の活動を進めます。
〇表現の自由
 民主主義社会にとって重要な人権の一つに表現の自由があります。政府や政治によるメディアへの圧力に対して、『放送レポート』での特集記事や声明、シンポジウム等を通じて異議を唱えてきました。
また、大手メディアでは伝えられることの少ない「表現の自由」についても考えています。「表現の不自由展」もその一つで、各地での開催をサポート。国民の知る権利に資する研究を進めています。
〇ジェンダー
 日本社会のあらゆるところでいまだに性別役割分業意識が根付いており、メディア産業も例外ではありません。多様な報道のあり方を考えるために、メディア組織のジェンダーバランスや、報道内容を批判的に考察します。
Media Research Institute
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維持会員募集
研究所の目的に賛同し、活動を支えてくださる維持会員を募集しています。
維持会費は年間1口1万円。

●維持会員の特典
メディアに関する情報・データを集めた「メディア関連資料」を定期的にメールでお届けします。研究所が行う研究会・シンポジウムなどの催しには無料または割引で参加することができます。
メディア総合研究所
〒130-0026
東京都墨田区両国3-21-14
両国有泉ビル3階
Tel: 03-6666-9404
Fax: 03-6659-9673
mail@mediasoken.org
 
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声明・アピール

歴史の闇に光を当てる果敢な報道を期待する
~一連の「植村裁判」終了に当たって~

2021年04月2日
メディア総合研究所

歴史の闇に光を当てる果敢な報道を期待する
~一連の「植村裁判」終了に当たって~
 
メディア総合研究所
所長 砂川 浩慶
 
 元朝日新聞記者で『週刊金曜日』発行人の植村隆さんが、「慰安婦」報道をめぐる署名記事を「捏造」と決めつけた研究者らに対して名誉棄損を訴えた一連の裁判で、最高裁による判断が示された。残念ながら植村さん側の主張は認められず、慰安婦問題をめぐる事実に基づかない主張は、「真実相当性」のハードルを下げる司法判断によって、札幌・東京の地裁・高裁、そして最高裁に容認されてしまった。
根拠のない情報を流布させた責任を免責した一連の司法判断が、この国の言論空間をさらに歪んだものにしてしまう悪影響を強く懸念せざるを得ない。とくに、誤った情報で不当なバッシングにさらされた植村さんとそのご家族が、法的には何の補償も得られないことになったのは返す返すも残念だ。
 
 一方で、被告の西岡力氏や櫻井よしこ氏らは、いずれの法廷でも植村氏の記事を「捏造」と断定した根拠を示すことができず、かえって自身の主張の一部を訂正することを余儀なくされた。このように、一連の裁判を通じて、植村さんが決して「捏造記者」でなかったことが事実をもって証明された、と日本の司法が認定したことにもなった。札幌・東京双方における植村さんの弁護団の皆さんに対し、この間の多大な努力を心より労いたい。また、この裁判のたたかいを通じて、全国各地の心ある市民やジャーナリスト、学生たちの間に広がった支援の輪も、得難い成果だと言えるのではないだろうか。
 
 「フェイクニュース」がSNSなどで容易に拡散してしまう今日、事実に基づいた正確な報道・情報はますます重要性を帯びてきている。それは、プロフェッショナルとしてのジャーナリストたちの地道な活動なくして成り立たない。いわゆる「慰安婦」問題については、近年の歴史研究の進展にもかかわらず、日本国内の一般のメディアによる報道は、残念ながらごく一部に限られている。報道の現場で働く方々の一層の奮起を願わずにいられない。
戦争における加害・被害の悲劇を二度と繰り返さないためにも、現代そして次世代を担う記者・ジャーナリスト各位には、日本の戦争責任・植民地責任をめぐるテーマについて、臆することなく果敢に報道していくことを、心から期待したい。
 
2021年3月12日                          以 上